「クイーンズタウン周辺で一番おすすめのトレッキングコースは?」と質問すると、皆が口を揃えて「ベン・ロモンド・トラック!」と言うくらい人気のベン・ロモンド・トラック(Ben Lomond Track)。人気の理由は、クイーンズタウンの中心地からとても近くスタート地点までのアクセスがいいこと、街から近いのに南アルプスの絶景・ニュージーランドらしい大自然を楽しめることです。
ベン・ロモンド
ベン・ロモンド(Ben Lomond)はクイーンズタウン中心部から北西の方向に直線距離で約4kmのところに位置する標高1,748mの山です。クイーンズタウンゴンドラの更に奥にそびえ立つ切り立った山がベン・ロモンドです。クイーンズタウンを見下ろす山頂からは広大なワカティプ湖や向かい側に立つマウント・リマーカブルスを望むことができます。頂から見る絶景を楽しむために一年を通して多くの登山客が訪れます。また、次に紹介する通り、山頂まで登るコースがいくつかあるので自分の体力に合わせて挑戦することができます。もちろん、コースを変えて何度も登ることもできます。
3つのコースから選べる
ベン・ロモンド・トラックは、以下の3つのコースから選ぶことができます。
- ゴンドラ+ベン・ロモンド・トラック
- ティキ・ウォーキング・トラック(Tiki Walking Track)+ベン・ロモンド・トラック
- スカイライン・アクセス・ロード(Skyline Access Road)+ベン・ロモンド・トラック
ベン・ロモンド・トラックは山の中腹から始まります。つまりベン・ロモンド・トラックに行くまでに3つの方法があり、3つのコースが最終的に1つのコースになるというわけです。ゴンドラを使うコースとティキ・ウォーキング・トラックを歩いていくコースは同じベン・ロモンド・トラックのスタート地点に辿り着きますが、スカイラン・アクセス・ロードを歩くコースは別のベン・ロモンド・トラックのスタート地点になります。
3つのコース:特徴
ゴンドラ+ベン・ロモンド・トラック
- ベン・ロモンド・トラックスタート地点から山頂まで約2時間
- ゴンドラで450mまで一気に登ることができ、約1時間のショートカット
- 体力に自信のない方や時間に余裕のない方におすすめ
- ゴンドラでクイーンズタウンの街並みとワカティプ湖の眺めを楽しめる
ティキ・ウォーキング・トラック(Tiki Walking Track)+ベン・ロモンド・トラック
- ベン・ロモンド・トラックまで約1時間15分
- ベン・ロモンド・トラックスタート地点から山頂まで約2時間
- 急で滑りやすい箇所がある
- ゴンドラの発着所でトイレ休憩ができる
スカイライン・アクセス・ロード(Skyline Access Road)+ベン・ロモンド・トラック
- ベン・ロモンド・トラックまで約30分
- ベン・ロモンド・トラックスタート地点から山頂まで約2時間30分
- 4WDが通る砂利道を歩くため少し滑りやすい
- 途中にトイレがない
3つのコース:スタート地点(ベン・ロモンド・トラック)までの行き方
ゴンドラ+ベン・ロモンド・トラック
クイーンズタウンの中心地から歩いて10分、ゴンドラに乗ることができる「スカイライン・クイーンズタウン(Skyline Queenstown)」からスタートします。ゴンドラで上まで行ったら、カフェやお土産もの屋さんがある建物を出て、Lugeという乗り物のコースを超えて歩いていくと、ベン・ロモンド・トラックのスタート地点となるサインが見えてきます。少し分かりずらい場所にあるので、見つからなかった場合はスカイラインのスタッフなどに確認しましょう。
ティキ・ウォーキング・トラック(Tiki Walking Track)+ベン・ロモンド・トラック
「スカイライン・クイーンズタウン(Skyline Queenstown)」ゴンドラの発着所を正面に見て左側奥にティキ・ウォーキング・トラックがあります。最初はマウンテンバイク専用の道と交差しているので気を付けて歩きましょう。
歩き始めるとすぐに急な登りになります。岩場や砂場が多いので雨の次の日は滑りやすくなると思われます。
1時間15分ほど登るとゴンドラの発着所に着きます。「スカイライン・クイーンズタウン(Skyline Queenstown)」の建物には入らずに、Lugeという乗り物のコースを超えて歩いていくと、ベン・ロモンド・トラックのスタート地点となるサインが見えてきます。少し分かりずらい場所にあるので、見つからなかった場合はスカイラインのスタッフなどに確認しましょう。
※ゴンドラとティキ・ウォーキング・トラックの駐車場は、「スカイライン・クイーンズタウン(Skyline Queenstown)」の無料駐車場にとめることができます。しかし4時間までの時間制限なので4時間を超える場合は周辺の有料駐車場にとめるほうがいいかもしれません。
スカイライン・アクセス・ロード(Skyline Access Road)+ベン・ロモンド・トラック
中心地から20分ほどの場所にあるLomond Crescentという通りにスカイライン・アクセス・ロードへの入り口があります。
40分ほど車両用の砂利道を上っていくと(商業用の4WDが通る道で一般車の進入はできません)、ベン・ロモンド・トラックのスタート地点となるサインが見えてきます。
※スカイライン・アクセス・ロードの駐車場は、入り口付近に無料の駐車スペースがあります。時間制限もありませんが駐車台数はあまり多くありません。
ベン・ロモンド・トラック
合流地点から中間地点まで
3つのコースの合流地点に着くとベン・ロモンドの山頂が見えてきます。とても遠いように感じます…。ですが、振り返るとクイーンズタウンとワカティプ湖が一望でき、すでにある程度標高が高いところまで来たことを実感できます。ここから「saddle」と呼ばれるところまでは約1時間緩やかな上りなので、景色を楽しみながら歩いていきましょう。
「saddle」に到着!
ですが特に休憩できるような場所はありません。ここから山頂方向に10分ほど進むととても眺めのいいところにポツンとベンチがあるのでそこで休憩するのがおすすめです。ちなみに「saddle」とは鞍部(あんぶ)と言って山の峰の間のことを言います。字のごとく馬に付ける鞍のような形をしている部分です。
いざ山頂まで!
「saddle」から山頂まであと1時間です!でもここからがベン・ロモンド・トラックの本番です。急な坂道や岩場、切り立った場所が最後まで続きます。滑りやすいのでトレッキングシューズのほうが安心です。ちょこちょこ休みながら安全に登りましょう。
ベン・ロモンド登頂!
苦しい1時間を乗り越えてようやく登頂です!山頂からは360度パノラマの景色を楽しめます。天気が良ければ、マウント・アスパイアリング(Mt. Aspiring)やマウント・アーンスロー(Mt. Earnslaw)などの南アルプスの高山も見ることができます。3時間ちょっとのトレッキングでここまでの山々の景色を眼下に納めることができるのがベン・ロモンド・トラックの人気の一番の理由なのだと分かりました。
下山
帰りは同じコースを戻ります。山頂から「saddle」までは急な坂道なので大変滑りやすいです。景色に見惚れて転ばないように気を付けてゆっくり降りていきましょう。最初の3つのコースの合流地点まで戻ったら、同じコースを降りてもいいですが、私たちは登りとは別のコースを降りました。
【私たちが歩いたコース】登り:スカイライン・アクセス・ロード 降り:ティキ・ウォーキング・トラック ※車はスカイライン・アクセス・ロードのスタート地点に駐車したため、最後ゴンドラ乗り場から街中を歩いて戻りました。
気を付けること
体力はある程度必要!
オタゴ地方の公式サイトには「Easy」と書かれていますが、体力はある程度必要です。中間地点の「saddle」までは初心者でも楽に登ることができますが、そこから山頂までの道は結構体力が必要です。山登りに慣れている人であれば問題ないレベルではあります。
準備万端で挑みましょう!
山頂付近の気温は夏でも7度~13度です。風が吹くと体感温度はもっと下がります。せっかく3時間かけて登ったのに山頂でゆっくりできないのは残念なので、防寒対策はしっかりとしていきましょう。また、中間地点の「saddle」から山頂までは滑りやすいのでトレッキングシューズをおすすめします。
トレッキングコースの地図はこれ!
オタゴ地方の公式サイト(https://www.doc.govt.nz/parks-and-recreation/places-to-go/otago/places/queenstown-area/things-to-do/ben-lomond-track/)に掲載されている地図は古いです。というかとても分かりづらいです。最新の分かりやすい地図はインターネットには掲載されていませんが、スタート地点のサインにあったものを写真で撮りました。こちらを確認していただくのをおすすめします。
観光客だけでなく現地の人にも人気のベン・ロモンド・トラック、しっかりと予習して安全なトレッキングを楽しみましょう!
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