ついに!ついに!ニュージーランドホリデーの目的の一つであるマウント・サンデー(Mt. Sunday)に行ってきました!ロード・オブ・ザ・リング(LOTR)マニアならもしかしたらご存知かもしれませんが、クライストチャーチから約2時間半のところにローハンの都エドラスのロケ地があるのです。もちろんロード・オブ・ザ・リングをそこまで知らなくても、どのシーンに使われたかあまり詳しくなくても、ニュージーランドらしい絶景を望むことができるので一生に一度は訪れることをお勧めします!!
ローハンの都エドラスのシーン(ネタバレ含む)
ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔の序盤(約1時間のところ)で白のガンダルフ一行(ガンダルフ、アラゴルン、レゴラス、ギムリ)がローハンを襲う脅威に立ち向かうべく訪れる、周囲360度を雪山に囲まれた都エドラスのシーンはマウント・サンデーで撮影されました。シャドーファックス(吹き替え版:飛蔭)を含む3頭の馬で一行がエドラスの丘を望むシーンが印象的です。ローハンの王、センゲルの子セオデンはサルマンの魔術に侵されており、心身ともに衰弱しているところを蛇の舌グリマが言葉巧みに操ります。サルマンの魔術によりグリマの言いなりになっているセオデンを白のガンダルフが解き放ちます。
エドラスの宮廷は今は残ってはいないですが、都を囲む急峻な山々とエドラスの宮廷が立つ丘はCGではなく実在します。
マウント・サンデーとは
マウント・サンデーはクライストチャーチとアオラキ国立公園(マウント・クック国立公園)の中間に位置するランギタタ川沿いにある標高600mほどの小高い丘です。その昔、人々が日曜日にここに集まったため、マウント・サンデーという名が付いたと言われています。
現在はウォーキングコースが整備されており、私有地であるものの個人でもマウント・サンデーに登ることができます。
マウント・サンデーへの行き方
訪れる前にいろいろ調べましたが、ガイドブックにもインターネットにも詳しい情報が掲載されておらず、ツアー参加が必須なのか、個人で行けるのか、本当に行けるのか、どうやって行くのか、全く分かりませんでした。クライストチャーチから目と鼻の先にあるので行けないことはないだろうということで、時間もあるのでとりあえず行ってみることに。
※バスも電車も走っていないところなので車(レンタカー)必須です。
クライストチャーチからはほぼ西の方向に進路を進めます。ラカイア(Rakaia)、アッシュバートンフォークス(Ashburton Forks)、マウントサマーズ(Mount Somers)という町を通り、マウントサマーズを通り過ぎるとあとは「Ashburton Gorge Rd」という田舎道と山道をひたすら進むことになります。マウントサマーズから目的地である「Mt. Sunday Track」の入り口まではほぼ一本道なので迷うことはないでしょう。マウントサマーズからおよそ1時間走ると、「Mt. Sunday Track」の入り口に到着します。
途中、エマ湖(Lake Clearwater)やクリアウォーター湖(Lake Clearwater)といったのどかな避暑地を通過します。隠れたリゾート地のようで立ち寄るのもオススメです。
クリアウォーターを通り過ぎると、壮大な景色が待ち構えています。万年雪に覆われたマウント・クックに感動すること間違いなしです。どこを撮っても画になるのでついつい車を停めてその景色に浸りたくなります。
※エマ湖やクリアウォーター湖以降、砂利道を走行するので十分にご注意ください。
もし、Google Mapを利用される際は「S43.5460840 E170.9060530」と検索フィールドに打ち込んでみてください。コピペ可です!この座標は「Mt. Sunday Track」のスタート地点となる駐車場の位置です。
マウント・サンデー・トラック(Mt. Sunday Track)
コース
マウント・サンデー・トラックは片道45分の比較的短いウォーキングコースです。小川や牧草地などの平坦な道を進んだあと、最後にマウント・サンデーに登るために少し急な坂を10分ほど登るコースです。唯一の難所は最後の山登りだけなので誰でもアクセスできる簡単なコースです。オレンジのマーキング(ポール)があるのでそれを目印に歩きましょう。私有地なので道を外れないようにしましょう。
透き通った小川
駐車場からスタートすると、まず見えてくるのが雪解け水で形成された透き通った小川。触れてみると、雪解け水のため氷水のようにキンキンに冷えていますが、夏の暑さを忘れさせてくれます。遥か遠い山々から運ばれてきた水でできたこの小川には、アユやワカサギに似たガラクシアス(galaxias)という淡水魚も生息しており、よく目を凝らすともしかしたら会えるかもしれません。体長8cmほどの体に星のような斑点があることから銀河を表す言葉であるギャラクシーに似た名前が付けられたと言われています。年々生息数が減少しているらしく、会えたら本当にラッキーです!
※途中浅瀬を通る箇所がありますので、防水の靴を履くことをお勧めします。現地の方はサンダルで来てましたが。
牧草地からの山登り
雪解け水の小川エリアを通り過ぎると、今度は牧草地と山登りゾーンです。牛や羊を放し飼いにしている私有地なので、糞にはお気をつけください。私たちが行ったときはそばに家畜はいなかったのですが、万が一近くにいる場合は離れてくれるまで待ちましょう。
ここが一番の難所です。割と急な坂道を登ることになります。砂利や小石があるので、非常に滑りやすくなっています。自信がない方はゆっくり登ってください。キツイキツイ上り坂を10分ほど登るとそこには想像を絶する絶景が待っているので頑張りましょう!
頂上到着!!
頂上に着いた瞬間あまりの壮大さに言葉を失いました。贅沢にも前方にはマウント・クック、眼下に広がるランギタタ川を含む緑豊かな盆地、右を見ても左を見ても連なる厳厳(いかいか)しい山々。やはり自然が織りなす美しい景色には到底人間では敵わないと実感した瞬間でした。また、それと同時にこの景色をスクリーンに映し出したいと考えたLOTRの監督ピーター・ジャクソンの気持ちが分かったような気がしました。
実はこのとき幸運にも頂上には先客がおらず、私たち二人だけでその絶景を独占することができました。頂上に座り込み、気が遠くなるような長い年月をかけて雪解け水による浸食によってできたことに思い耽ると、人間の一生なんて微々たるものだと改めて実感しました。
残念ながら、撮影セットがここにあったことを示すようなものは何も残っていませんが、きっとここにガンダルフやアラゴルンが来たと思うだけで気持ちが高ぶります。
ロード・オブ・ザ・リングのファンでなくても、映画を観ていなくてもこの山からの景色は絶対に見たほうがよいでしょう。
まとめ
- マウント・サンデーにはエドラスの丘がある!
- 個人でもロードオブザリング撮影地にいける!
- ロードオブザリングファンでなくても絶景が楽しめる!
- マウント・サンデー・トラックまでの道路が未舗装路なので気を付ける!
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