日帰りでも楽しめる!個人で歩くルートバーン・トラック(Routeburn Track)

ルートバーン・フラッツからの眺め オタゴ地方
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ニュージーランドで人気のトレッキングコースと言えば、南島のフィヨルドランド国立公園にあるミルフォード・トラック(Milford Track)とルートバーン・トラック(Routeburn Track)。どちらもニュージーランドらしい自然と絶景を楽しむことのできるコースですが、より多くの登山客が訪れるのはルートバーン・トラックです。なぜならニュージーランドのトレッキングシーズンである11月〜4月の間も日帰りであれば入山届や予約などをしなくても個人で歩くことができるからです(対してミルフォード・トラックはトレッキングシーズン中はコースの向きが決められていて逆方向に戻ることはできないため、個人の場合日帰りで歩くことはできません)。今回は、ルートバーン・トラックの歩き方(コースの内容や注意点など)を詳しくご紹介します。

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ルートバーン・トラック(Routeburn Track)

ルートバーン・トラックは、ニュージーランド南島のフィヨルドランド国立公園とマウント・アスパイアリング国立公園の境界にあり、世界自然遺産*︎を存分に楽しむことのできる人気のトレッキングコースです。全長約33kmのコースを歩けば、山々の絶景だけでなく日本では見ることのできない植物やニュージーランド南島にしか生息していない鳥を見ることができます。平坦な道と起伏に富んだ山道の両方があり、初心者から登山経験者まで多くの人を惹きつけています。

*世界自然遺産「テ・ワナヒポウナム」:ウエストランド/タイ・ポウティニ国立公園、アオラキ/マウント・クック国立公園、マウント・アスパイアリング国立公園、フィヨルドランド国立公園の4つの国立公園を総称している。「テ・ワナヒポウナム」とはマオリの言葉でヒスイの産地。

ルートバーン・トラックの歩き方

個人で歩く場合

日帰りコース

日帰りで一般的なのはルートバーン・シェルター(Routeburn Shelter)からルートバーン・フラッツ小屋(Routeburn Flats Hut)までのコースです。このコースでは起伏はほとんどなく比較的平坦な道のため、幅広い年齢層の人たちが歩いています。時間と体力にもう少し余裕のある人は、さらに先のルートバーン・フォールズ小屋(Routeburn Falls Hut)まで行くこともできます。ただし、ルートバーン・フラッツ小屋からルートバーン・フォールズ小屋まではやや急な上り坂が続きます。

ルートバーン・シェルター〜ルートバーン・フラッツ小屋(7.5km):片道1時間30分〜2時間30分
ルートバーン・フラッツ小屋〜ルートバーン・フォールズ小屋(2.3km):片道1時間〜1時間30分

※一年を通して入山届や予約などは必要ありません。(日本のガイドブックで入山届が必要と書いてありますが、不要です)

2泊3日コース

ルートバーン・トラックを踏破するために山小屋またはキャンプサイトを利用して歩く場合、2泊3日の行程が最も一般的です。グレノーキー(Glenorchy)側のルートバーン・シェルターからスタートする人が多いですが、テ・アナウ(Te Anau)側のディバイド(The Divide)からスタートすることもできます。ハット(Hut)と呼ばれる山小屋は比較的新しく清潔感があり、キッチンにはガスコンロも準備されているため快適に過ごすことができます。ただし山小屋には売店などはないため食料は各自で持って登らなければいけません。

ルートバーン・シェルター〜ルートバーン・フォールズ小屋(9.8km):3時間〜4時
ルートバーン・フォールズ小屋〜マッケンジー湖小屋(11.3km):4時間30分〜6時間
マッケンジー湖小屋〜ディバイド(12km):4時間〜5時間30分

※The Great Walks Season(10月末〜4月末)期間:山小屋・キャンプサイトの予約が必要。【山小屋】1人1泊$130 (NZ国民$65) 【キャンプサイト】1人1泊$40 (NZ国民$20)
※シーズン以外の期間:山小屋・キャンプサイトの予約は不要。【山小屋】1人1泊$15【キャンプサイト】1人1泊$5

ルートバーン・トラックのHut(山小屋)

ルートバーン・トラックの山小屋はとても清潔感があります。宿泊費は少し高いような気もしますが、その分トイレが水洗であったりガスコンロが設置してあったりと山小屋にしてはとても設備が充実しているのです。またシーズン中には管理人も常駐しているので安心して泊まることができます。

山小屋のベッド
ルートバーン・フォールズ小屋のベッド
ルートバーンの山小屋キッチン
ルートバーン・フォールズ小屋のキッチン

個人で歩く場合の注意点

  • 入山届は必要ない
  • 2泊3日コースの場合、食料・寝具などは持参する必要がある
  • 山小屋には売店・シャワーはない

ガイドツアーに参加する場合

日帰りコース

日本人のガイドと一緒にルートバーン・シェルターからルートバーン・フラッツ小屋までのコースを歩くツアーがあります。このツアーに参加する最大のメリットは、クイーンズタウン市内のホテルとスタート地点となるルートバーン・シェルター間の送迎が付いていることです。クイーンズタウンまたはテ・アナウからルートバーン・トラックまでのバスは本数も多くないため、送迎付きのツアーはとても便利です。また昼食も付いているので、持ち物も軽くて済みます。ツアーはHISなどの日本語サイトで申し込めます。

2泊3日コース

英語のガイドでルートバーン・トラックの全行程を歩くツアーです。ツアーを催行している会社はいくつかありますが、ほとんどがテ・アナウ側のディバイドからスタートして、ルートバーン・シェルターにゴールするルートです。このツアーに参加する最大のメリットは、食料などを全て準備してもらえることと、ホテルのような宿泊施設(ロッジ)に泊まれることです。2泊3分の食料・寝具を持って山道を歩くのは想像以上に大変なのですが、ツアーに参加することでそれらを全て解消できるので体力に余裕を持って歩くことができます。

ガイドツアーに参加する場合の注意点

  • The Great Walks Season(10月末〜4月末)以外は催行していないことがある
  • 2泊3日のツアーは英語ガイドしかない
  • 食料・宿泊施設など全て込み込みなので参加費は高め(日帰り約$200、2泊3日約$1500)

スタート地点までの行き方

ツアーに参加せずに個人で歩く場合、スタート地点となるルートバーン・シェルターとディバイドまでのアクセスは、車(レンタカー)または有料のシャトルバスで行く2択です。シャトルバスはいくつかの会社が以下の区間を運行しています。

  • クイーンズタウン⇄ルートバーン・シェルター
  • クイーンズタウン⇄ディバイド
  • テ・アナウ⇄ルートバーン・シェルター
  • テ・アナウ⇄ディバイド
  • クイーンズタウン→ルートバーン・シェルター/ディバイド→クイーンズタウン
  • テ・アナウ→ディバイド/ルートバーン・シェルター→テ・アナウ
シャトルバスの注意点 ※1日の本数が少ない ※予約が必要 ※夏季以外は運行していない会社もある

個人で歩く日帰りコースの内容

私たちが実際に歩いた日帰りコースのスタート地点はほとんどの人が選ぶルートバーン・シェルターです。ルートバーン・シェルターまではクイーンズタウンから車で約1時間30分、グレノーキーロード(Glenorchy Road)というニュージーランドでも特に景色が美しい道路の一つと言われる道を走ります。ですが景色がきれいな上にクネクネ道なので気をつけて走らなければ危ない道です。シャトルバスなら運転を気にせずに景色を楽しめるかもしれません。

スタート地点のルートバーン・シェルターに着いたらさっそくニュージーランド固有の鳥ケア(Kea)の群れに遭遇しました!ケアはニュージーランドの南島にしか生息しておらず、オウムの中で唯一標高の高い山に住んでいる鳥です。とても鮮やかな色の羽といたずら好きなことで知られています。この日もベンチにリュックを置いていると3羽が近寄ってきました。とても愛らしいのですが食べ物などを取っていってしまうこともあるので要注意です。

ケア

ケアの写真を撮り終えて、トイレに行ったらここから出発です。

ルートバーンのスタート地点

ルートバーン・フラッツ小屋までの2時間ほどの道のりはほとんどが平坦で歩きやすく、またずっと森の中を歩くため日差しや風の強い日でも体力を奪われずに済みます。

ルートバーントラックの道

森を歩けばすぐに出会えるのがロビンです。こちらもニュージーランド固有の鳥で、特徴はその人懐っこさ!地面まで降りてきて、人間の様子を伺っています。飛び回ったりせずにじっとしてくれるので写真の取りやすい鳥ナンバーワンです。

ロビン

先に進むと途中に何ヶ所か吊り橋を渡ります。この時にぜひ川を覗いてみてください。ニュージーランドの中でもかなり透明度が高い水の中に魚を見つけることができるかもしれません。

ルートバーンの川

2時間ほど歩くとルートバーン・フラッツ小屋に到着です。ここで折り返す場合には、ベンチに座って景色を見ながらお昼を食べたり、小川で手足を冷やしたりすると気持ちいいです。

ルートバーン・フラッツからの眺め

私たちはルートバーン・フラッツ小屋の先のルートバーン・フォールズ小屋を目指しました。ここからは少し急な道を登って行きます。途中、地滑りを起こした場所がありました。ここは1994年の大雨で崩れたのだとか。ですが崩れたおかげで視界は開け、ここから見えるルートバーンの平地と山々の景色は壮大です。

地すべりあと
地すべりあとからの眺め

地滑りの場所から30分ほど歩くとルートバーン・フォールズ小屋に到着です。ロッジより少し上に登って行くと、その名の通り滝が見えてきます。ひとつひとつは大きい滝ではありませんが、何本もの滝が悠々と岩の間を流れる姿は本当に美しいです。

ルートバーンフォールズ

お昼はロッジではなく山小屋の方に景色を眺めながら休むことのできるベンチがあったのでそこで食べました。山小屋にあるトイレは水洗で清潔感がありました。ルートバーン・トラックの良いところは所々に山小屋がありトイレに不便することがないことです。

帰りは来た道を戻ります。体力的にも時間的にも充実したトレッキングになった素晴らしいコースでした。

ニュージーランドトレッキングコースの中でも特に人気のルートバーン・トラック。個人で行くのもツアーでいくのもどちらもおすすめです。世界遺産の自然を存分に楽しみましょう!

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