フランツ・ジョセフ氷河とフォックス氷河
2つの氷河はウェストランド/タイ・ポウティニ国立公園の中にあり、どちらも手軽に氷河観光ができることで人気があります。アオラキ/マウント・クック国立公園の周辺には140近い氷河がありますが、その中でもフランツ・ジョセフ(Franz Josef)とフォックス(Fox)の氷河は近くまで簡単に行くことのできるウォーキングコースが整備されています。ニュージーランドで氷河を見たい!という人は必ず訪れるべき氷河スポットです。
フランツ・ジョセフ氷河とフォックス氷河の観光
観光の拠点
2つの氷河の観光の拠点となるのはフランツ・ジョセフ・グレイシャー・ビレッジとフォックス・グレイシャー・ビレッジと呼ばれる町です。フランツ・ジョセフの方が規模は少し大きいですが、それぞれの町には、宿泊施設やレストラン、アクティビティのオフィスがあります。2つの町の距離は車で30分ほどのため、1日でどちらも観光することが可能です。
氷河観光① ウォーキング
氷河を間近に見ることのできるところまで歩いて行くウォーキングコースが整備されています。氷河から数百メートルのところまで近づくことができるうえに、ウェストコーストの原生林や氷河の雪解け水の川を見ながら歩けることも魅力です。コースはいくつかありますが、気軽に行けるオススメのコースはこちらです(どちらのコースも同じ名前です)。
- フランツ・ジョセフ氷河 : グレイシャー・バレー・ウォーク(Glacier Valley Walk) 往復約1時間30分
- フォックス氷河 : グレイシャー・バレー・ウォーク(Glacier Valley Walk) 往復約1時間
※氷河は日々動いているため、日によって近づくことのできる距離は変わります。コースのスタート地点にその日のコンディションが掲示されています。
※各コースのスタート地点までの道が土砂崩れなどで封鎖されることがあります。事前にDOC(Department of Conservation)のサイトで確認をしましょう。
氷河観光② 遊覧飛行
ヘリコプターまたは小型飛行機に乗って空から氷河を見ることのできるツアーです。各社様々なプランを催行していて、20分~50分のフライトや途中氷河に降りて写真撮影をするプランもあります。
氷河観光③ ヘリハイク
ヘリコプターに乗って氷河に着陸して、さらにハイキングを2時間~3時間楽しむツアーです。氷河の上を歩くだけではなく、ヘリコプターの遊覧飛行(5分程度)も楽しめるため人気のアクティビティです。
フランツ・ジョセフ氷河ヘリハイクをレポート!
私たちはウォーキングコースも歩いたのですが、実際に氷河に触ってみたい!空から見てみたい!という想いが強かったのでヘリハイクに参加しました。「Book me」で予約したので少しだけ安く済みました。
チェックインと準備
チェックインを済ませたら、奥の待合室で専用のシューズ、靴下、ズボン、ジャケット、バッグを受け取って準備をします。バッグの中にはアイゼン(氷の上を歩くための装備、英語ではクランポン)が入っていますので、入れられるのはボトル1本、少しのお菓子、カメラくらいでした。最後に体重を測ってヘリポートへ移動です!
※財布なども持って行くことは基本的にできません。専用のバッグに入れることができないものは、カウンターでスタッフの人が預かってくれます。
身長170㎝の男性がジャケットなどを着用するとこのような格好になりました。専用バッグの大きさの参考にしてください。
氷河までヘリ移動!
準備と説明が終わると全員で歩いて数分のところにあるヘリポートへ移動します。ヘリコプターの前の座席に座って景色を見たい!という方といるかもしれませんが、ヘリコプターの座席や乗る順番はスタッフの方が厳密に調整しています。準備の最後に測った体重で座る位置を決めているようです。私たちは体重が軽かった(他の欧米諸国の方々に比べて)ためか、2人で前の座席に座ることができました。
※ヘリに乗り降りする際は持ち物は全て必ず専用のバッグの中に入れなければなりません。カメラを首から掛けるのも禁止です。飛行中にカメラを出すのは問題ありません。
氷河までのフライトは5分ほどと短いのですが、空から見る氷河はまた格別に美しいです!下からだと見えにくかったクレバス(氷河の亀裂)も上からだととても分かりやすく見ることができます。ちなみに私はものすごい高所恐怖症かつジェットコースターなどが本当に苦手なのですが、ヘリコプターは意外と大丈夫でした!飛行機の様な浮遊感もなく、安定したフライトだったのでヘリコプター怖いなと思っている方でもぜひ挑戦して欲しいと思います!
氷河に着陸!ハイキング最後の準備
ヘリコプターから絶景を楽しんだら、ついに氷河に着陸です!10人1グループに分けられ、ガイドから装備の説明とハイキングの注意点を聞きます。アイゼンの付け方や歩き方など細かく教えてくれるので、雪山歩きの初心者でも安心です。注意点の中で特に印象的だったのは、少し登山をしたことのある人がやりがちな間違いです。山道を降る時に足を横に向けることがあると思いますが、アイゼンを付けた靴でそれをやるととても危険だそうです。降りるときは必ずつま先を進行方向に向けて歩きましょう。私もついついやってしまいがちだったのでアイゼンに慣れるまでは少し大変でした。
氷河ハイキング!
ガイドの説明が終わると早速出発です。ガイドが足元の安全を確認しながら先頭を歩き、その後ろを1列で10人が着いていきます。ガイドは休憩中にも、氷河の成り立ちや氷河に生息している生き物についてなどいろいろな解説をしてくれます。私たちが歩いたフランツ・ジョセフ・グレイシャーは「世界で最も急な斜面を歩くことのできる氷河」だそうです。またこの氷河ハイキングはただ単に氷河の上を歩くだけではなく、氷の洞窟を通ったり滑り降りたりとまさに探検気分で歩くことができます。所々で写真撮影タイムもありました。
氷河ヘリポートからの景色。氷河が崩壊して轟音が響くこともありました(ハイキングコースから遠いので安全です)。
氷の洞窟を滑り降りていきました!ガイドの人たちが安全に滑れるように事前にロープを張ってくれています。日々刻々と氷河は変化しているのでこの天然の洞窟も翌日には無くなっている可能性があるのだとか。
ニュージーランドの山水は基本的には煮沸が必要ですが、氷河が溶けた水は殺菌しなくても飲むこともできます。おいしいです!皆空いたペットボトルに入れて飲んでいました。
約2時間強のハイキングを終え、ヘリに乗ってもとの場所に戻りました。氷河ハイキングとヘリでの遊覧飛行がセットになった本当に満足できるアクティビティでした。
ヘリハイクの持ち物について
氷河の上を歩く時に必須なのが、防寒着、サングラス、日焼け止めです。氷河の上は晴れていればある程度暖かいこともあるので、専用のジャケットの中に着る服はどのくらいがいいのかはスタッフの人に当日確認しましょう。私たちが歩いた日は晴天だったため暖かく、専用のジャケットの中はフリース1枚程度で十分でしたが、基本的には寒い場所なので、専用のジャケットの中に着ることのできる防寒着を準備していきましょう。また氷河は太陽の光を反射するため、サングラスは必須です。サングラスを着けなければ眩しいだけでなく、眼を痛めてしまいます。日焼け止めも同じくです。
ヘリハイクのまとめ
- 費用は高いが満足できる内容!
- ハイキング初心者でも大丈夫!
- 必要装備は準備されている(持参するものもある)
無料のウォーキングコースなど氷河観光の方法はいくつかありますが、地上からでは分からない氷河美しさと偉大さを感じることのできるヘリハイクが特におすすめです!
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