アーサーズ・パス(Arthur’s Pass)
ニュージーランドでウォーキング好き、ハイキング好き、山好きなら知らない人がいないほど有名な「アーサーズ・パス」。ニュージーランド南島の中部に位置するここはハイキングのみならず、動植物を観察するところとしても人気が高いです。ハイキングをするためにニュージーランドまで来た私たちですから見逃すはずもなく、さっそくアーサーズ・パスに行ってきました。ガイドブックには数日掛けて巡るコースが主に紹介されていますが、私たちは気軽に自然を楽しみたいということで、誰でも簡単に登ることができ、絶景を見渡せるようなコースを選びました。あまり山登りが得意ではないなぁという人でも楽しめるコースをここでは紹介します。また実際に歩いてみてどのくらい時間がかかったか、装備としては何が必要かも紹介してますので合わせてご覧ください。
アーサーズ・パスとは?
ニュージーランド南島には東側(クライストチャーチ側)と西側(ウェストコースト)を大きく分断する山脈が南北に走っています。1864年に測量士のアーサー・ドブソンさんという方が、その山脈を人が通れるように道を開拓したことから「アーサーズ・パス」と呼ばれるようになったと言われています。稜線や山の形に合わせて切り開かれた道なので曲がりくねった道がずっと続きます。この山脈を東西に移動する幹線道路は未だこのクネクネしたアーサーズ・パス以外には存在せず、道路以外はそのままの自然が残されている国立公園とっており、多くの観光客が訪れる場所になっています。
クライストチャーチから車で約2時間、バス・電車などの公共交通機関もあり、かつ日帰りでも行くことができるので、とても人気のトレッキングスポットです。
アーサーズ・パスのトレッキングコース
アーサーズ・パスのトレッキングコースは初級から上級までたくさんあります。往復1時間もかからない歩きやすい初級コースは日帰りにももってこいですし、往復8時間はかかるけどすっごい絶景を見ることのできる上級者コースも人気です。ちなみに私たちが挑戦したのは以下の3つです。
- オティラ・バレー(Otira Valley)トラック:所要時間約1h30min
- テンプル・ベイスン(Temple Basin)トラック:所要時間約3h
- デビルス・パンチボウル・ウォーキング(Devil’s Punchbowl Walking)トラック:所要時間約1h
アーサーズ・パスのトレッキングコース パンフレット(PDF)
トレッキングコースをまとめたパンフレットが自然環境保護省から発行されています。以下のリンク先にあるので参考にご利用ください。
オティラ・バレー(Otira Valley)トラック
スタート地点までの行き方
アーサーズ・パス駅やビジターセンターがあるアーサーズ・パス・ビレッジから北に10分ほど行った左手にスタート地点となる駐車場があります。
「トラックはブレーキ再確認」のようなサインが見えたらすぐに駐車場があります。国道沿いにトラックのサインはないので通り過ぎないように気を付けて!
コースの内容
ここからスタート。
岩が少しありますが、比較的歩きやすい道が続きます。傾斜もそれほどありません。
スタートから3分くらい進んだ場所にまたサインが。
「雪崩に注意!」のサインです。今回は1月上旬だったので、雪は一切ありませんでした。でも、雪が積もっている時期に行くときはとても用心が必要のようです。
さらに10分くらい進むと、ちょこちょこ小川が流れているところがでてきます。たまに足首までつかるような深い小川があるので、トレッキングシューズを必ず履いていきましょう。
オティラ・バレートラックのゴールに到着!
ゴールはこの橋です。この橋を越えて行くトラックもあるのですが、山岳用の地図が読めたり方位磁石を使った登山ができる人向けの上級コースですので万全の準備をしていない方はここから先に行くのはやめましょう。
ここからは国道の反対側にあるマウント・テンプルが見えます。
川は流れが速いですが、とても水が透き通っていてきれいです。氷河によって削られてできた谷がこんなに美しいとは…。天気がそんなに良くなかったのですが、それでも雲がかかった2000m級の山々は雄大で最高の眺めでした。
帰りは同じ道を通って帰ります。
【オティラ・バレー・トラック概要】
オティラ・バレー(Otira Valley)トラック
内容:リターントラック (行き帰り同じ道)
スタート地点:Otira Valley Track Car Park(Googleマップで検索可能)
所要時間:往復1時間30分(実質1時間50分)
靴:トレッキングシューズ必須
トイレ:周辺になし。事前にアーサーズ・パスビレッジで済ませておくこと。
特徴:初級~中級。比較的歩きやすい道。絶景。天候が変わりやすいため要注意。
テンプル・ベイスン(Temple Basin)トラック
スタート地点までの行き方
オティラ・バレートラックの駐車場から少し南に行くと、テンプル・ベイスンの広い駐車場が見えてきます。橋の手前にあるサインからスタート。
※この橋を渡ったところにも小さな駐車場がありますが、人通りもあるので、手前の広い駐車場に車は止めたほうが良いです。
橋を渡るとまた駐車場があって、サインが。
ここからテンプル・ベイスントラックとアーサーズ・パス・ウォーキングトラックに道が別れます。今回はテンプル・ベイスンなので右側の道を行きました。ちなみにアーサーズ・パス・ウォーキングトラックは平坦な森の中の道を行く、歩きやすいコースです。ニュージーランドの森林を気軽に楽しむならこちらのコースもいいですね。
コースの内容
さて、テンプル・ベイスントラックを進みます。この砂利道がトラックです。砂利道と言ってもそれなりの大きさの石なので、足を取られて結構歩きにくいです。初めから体力を奪われてはぁはぁなりました。30分ほど進むと、時々大きな岩場がでてきます。
滑らないように気を付けてゆっくり進みます。雄大な山々に視線がくぎ付けになりがちなので一歩一歩慎重に進みましょう。1時間ほど登ると、ゴールの山小屋が見えてきました!
この橋を渡って山小屋へ向かいます。
ゴールの山小屋からの景気はこんな感じです!
この日は晴れていてとても眺めが良く、向かいにあるマウント・ロールストンの全景も見れました。写真撮るときは少し雲に隠れてしまいましたが・・・。
トイレは山小屋にあるのなか?と思っていたのですが、山小屋に人影はなく、結局今はあまり使われていなそうな改修中の小屋のトイレを使いました。
帰りは同じ道を下っていきます。
大きな渓谷を通るルートで、渓谷を下る雪解け水でできた滝も見ることができます。滝は少し遠いですが十分迫力が伝わります。これまた壮大さに心奪われてしまいがちなので足元には十分お気を付けください。
晴れてはいましたが谷間を通る風が結構強かったので体感温度はそれほど上がらず。結局私たちは一度も防寒着を脱ぐことはなかったです。ちょっと羽織る防風ジャケットを持参することをオススメします。
【テンプル・ベイスン・トラック概要】
テンプル・ベイスン(Temple basin)トラック
内容:リターントラック (行き帰り同じ道)
スタート地点:Temple Basin Car Park(Googleマップで検索可能)
所要時間:往復3時間(実質2時間40分)
靴:トレッキングシューズのほうがよい。
トイレ:周辺になし。事前にアーサーズ・パスビレッジで済ませておくこと。
特徴:初級~中級。比較的歩きやすい道。絶景。天候が変わりやすいため要注意。
デビルス・パンチボウル・ウォーキング(Devil`s Punchbowl Walking)トラック
コースの内容
アーサーズ・パスの中で一番人気のコースをトレッキングしました。このコースが人気の理由は、131mの大迫力の滝(デビルズ・パンチボウル・ウォーターフォール)見ることができるからです!しかも1時間以内で比較的簡単に歩くことができます!この日は観光シーズンだからか、駐車場も止める場所を探さなければいけないほどの大混雑でした。
駐車場の端にあるこのサインからスタート。
ここからは、アバランチ・ピークトラックなどいろいろなコースへ行けるようです。
お!「Kiwi Zone(キーウィゾーン)」のサインが!夜になると出てくるのでしょうか?
トラックは全行程砂利が敷き詰められており、常に歩きやすいように整備保全されています。途中、大きな吊り橋を2回渡ります。雪解け水が集まってできた川で、土壌や木々などの自然の浄化能力が強く川底が見えるほど透き通っています。ぜひゆっくり川の景色を楽しんでください!
また、登る必要があるところは必ず階段が設置されており、非常に歩きやすいです。天候を気にせずにハイキングできることも人気の理由の一つかもしれません。
30分ほど歩くとついにデビルズ・パンチボウル・ウォーターフォールに到着です!さすが131mの高さがあるだけあって、すごい迫力です。滝つぼに近づくことはできませんが、デッキから眺めるだけで十分でした。
【デビルス・パンチボウル・ウォーキング概要】
デビルス・パンチボウル・ウォーキング(Devil`s Punchbowl Walking)トラック
内容:リターントラック (行き帰り同じ道)
スタート地点:Devil`s Punchbowl Car Park(Googleマップで検索可能)
所要時間:往復1時間(実質50分)
靴:スニーカー、サンダルでも大丈夫
トイレ:駐車場に簡易トイレあり。
特徴:観光用のウォーキングコース。雨の日でも大丈夫。
オススメ旅程
実際に行った私たちだからこそオススメできる旅程を紹介します!アーサーズ・パスはクライストチャーチからの移動が一番便利です。また、アーサーズ・パス旅行後クライストチャーチにそのまま戻って来てもいいですし、西に進みウェストコーストを旅するのもまたオススメです。ウェストコーストの紹介はまた別の機会に。
1日目
- クライストチャーチからアーサーズ・パスまでドライブ
- オティラ・バレーをトレッキング
- ジャクソンストリートホリデーパークでキャンプ
2日目
- テンプル・ベイスンをトレッキング
- デビルズ・パンチボウル・ウォーキングをトレッキング
- アーサーズ・パスからクライストチャーチまでドライブ
宿泊地はここで決まり!
アーサーズ・パス周辺にはホテルやモーテル、ロッジがたくさんありますが、せっかくだから貴重な体験をしてみたいという方には「ジャクソン・リトリート・ホリデーパーク」を強くオススメしたいです(ホリデーパークとはいわゆるキャンプ場です)。ホリデーパークとはいえ、ロッジタイプの宿泊施設もあるのでキャンプをしない人でも安心です。
この施設の何が良いかというと、夜は土ボタルを観測でき、昼間は高山に生息する鳥類を観測できるからなんです!もちろん動物園でも見ることができますが、野生そのままの姿を見るにはここが最適です!
魅力を上げて行ったらキリがないのでここでは割愛しますが、別のページで紹介してますので興味があればご覧ください。
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